こんにちは!
果たしてモラトリアム期間があったかしら?と・・・人生の折り返し地点で思う~Pino(ピノ)です^^

今回のお題はその「モラトリアム」です。
ニュースやインターネット上でも、よく見かけるこのワード、はっきりした意味をご存じですか?
早速、ご一緒にチェックしてゆきましょう!

今日も謎の?ピグモン解説員赤いシャルルも登場しますよ~

シャルル
失礼な紹介だな……私を誰だと思っている!
Pino
だから!アナタ、だれ!?

モラトリアムとは?

 

モラトリアム (Moratrium:英語)
① 支払猶予。法令により、金銭債務の支払いを一定期間猶予させること。戦争・天災・恐慌などの非常事態に際して信用制度の崩壊を防ぎ、経済的混乱を避ける目的で行われる。
② 製造・使用・実施などの一時停止。核実験や原子力発電所設置などにいう。
③ 肉体的には成人しているが、社会的義務や責任を課せられない猶予の期間。また、そこにとどまっている心理状態。

英語のMoratrium(モラトリアム)はラテン語のmora「遅延」から派生したmorari(遅延する)が語源とされています。

英語会話の中における「モラトリアム」の使われ方は、主に上記に引用した辞書と同様の1.「支払い延期」「支払い猶予期間」2.「停止」「(一時的)禁止(令)」の意味で、3の発達心理学的用語としてのMoratorium(モラトリアム)が使われることは、あまり多くはないようです。

対して、現代日本社会でのモラトリアムは、3の発達心理学的用語である「社会的責任を一時的に免除あるいは猶予されている青年期」の意味で使われることが多いのが特徴的です。

Pino
モラトリアムの本来の意味は「支払い延期」「支払い猶予」という政府が発令する法律用語なんだね!

シャルル
戦争や天災、恐慌などの非常事態において、債務の不履行による金融上の混乱を防ぐために発令される。日本における過去の発令は1923年の関東大震災の後や1927年の金融恐慌、第二次世界大戦後の混乱期に実施されているな。

Pino
要は、借金の返済を延期してくれたり、預金が封鎖されても、生活費や給与などの認められた費用のためのお金は引き出せたりすることだよね?

シャルル
そうだ。他にも2のような「実施・実行を停止すること」とう意味もあって、主に核実験や戦争、死刑執行などの停止、一時的な禁止の意味にも使われている。

Pino
モラトリアム本来の意味は、意外と硬い言葉なんだねー

モラトリアムの使い方と使用例

例)世界恐慌の際に多くの国でモラトリアムが発令された。

この場合のモラトリアムは「天災・恐慌・戦争などの非常事態の際に、債務の支払いを一定期間猶予すること」の意味です。

日本で実際に発令されたのはシャルル達が述べていたように
1923年 関東大震災後
1927年 金融恐慌
1946年 第二次世界大戦後

そして近年では、リーマンショックの影響で経営が悪化した中小企業や個人を救済するために2009年12月に施工された「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」略して「中小企業円滑化法」が別名「モラトリアム法」と呼ばれたのは記憶に新しいところです。

例)安保理は核爆発実験に関するモラトリアムの維持を加盟国に呼びかけた。

ここで使われているモラトリアムは「停止」「(一時的な)禁止(令)」の意味で使われています。

2018年の記録では現在、約1万5000基の核爆弾を9カ国が保有しているとされています。
かつての冷戦状態の頃よりも劇的に数は減っていますが、専門家は「数の問題ではない」と述べています。つまり、核爆弾の1個あたりの威力が以前とは比較にならないほど強力になっているからです。

確立されてから20年以上が経過している包括的核実験禁止条約(ほうかつてきかくじっけんきんしじょうやくComprehensive Nuclear Test Ban Treaty略称:CTBT)は保有国を含む数カ国の批准、署名が得られず未だ発効されておらず、度々の決議においてこのようなモラトリアムを呼びかけるに止まっています。

例)来年から始まる就活に向けて、今のモラトリアム期間を有効に使いたい。

このモラトリアムは「肉体的には成人しているが、社会的責任を一時的に免除あるいは猶予されている青年期」という意味で使われています。

これはライフサイクル理論(心理社会的発達理論)で有名な心理学者のエリク・H・エリクソン(Erik Homburger Erikson)が、青年期(12歳~22歳)における人の特質を表すために「心理社会的モラトリアム」という言葉を使ったことが始まりと言われています。

ここでいう青年期をアイデンティティ(自我同一性=自分が何者であるか?どのように社会にかかわってゆくか?探求すること)が形成される期間とすると、ライフサイクル理論の12歳から22歳の定義を延長し30歳位までとする提唱や、ハローワーク等の公的機関が行う青年期向けのサポート支援の対象年齢39歳までとする見方もあります。

いずれも、パートナーを持つ場合は成人期とみなされ、モラトリアムに該当する青年期は30歳位までの未婚の者という認識が一般のようです。

例)彼の息子は昨年就職が決まり、ようやくモラトリアムを脱することができた。

現代日本社会における「モラトリアム」の使い方は、前述のエリクソンが提唱した「肉体的には成人しているが、社会的責任を一時的に免除あるいは猶予されている青年期」という意味から派生して「社会的に許された猶予期間を過ぎているにもかかわらず、精神的に未成熟で大人社会に入ってゆけない、大人になることから逃げ続ける心理状態」という意味で使われるようになりました。

これは1978年に精神科医の小此木啓吾(おこのぎけいご)氏が出版した「モラトリアム人間の時代」の中で、「社会人としての当事者意識がなく、大人社会に適応できない人間=モラトリアム人間(moratorium personality)」という概念を提唱したのが始まりとされ、その後の日本社会に「モラトリアム」という言葉が定着するきっかけとなりました。

モラトリアム人間の4つの特徴

1.ありのままの自分を認められない
2.当事者意識が薄い
3.選択できない
4.無気力

モラトリアム人間が形成される3つの要因

また、このような「モラトリアム人間」が社会現象となっている背景には、さまざまな要因がありますが、主に次の要因が挙げられます。
1.急激な社会の変化
将来の選択肢が多様化し、やりたいことや仕事、人生の目標の選択を迷ってしまう。
2.高学歴化
高給で人気のある仕事への就職を目標とし、高学歴を目指すため、日常生活の中における受験勉強の時間の割合が増え、ゆっくりと自分自身のことを考える余裕がない。
3.経済的余裕
日本の生活状況が豊かになって、さほど貪欲に働く必要もなく、親元から離れずに依存し続ける子供世代が増えてきている。

モラトリアムの類語・関連用語

ニュースなどで見聞きする「モラトリアム人間」「ニート」は、いずれも現代社会の無気力な若者たちを示すワードのようですが…どのような違いがあるのでしょうか?それぞれの意味をみてゆきましょう。

NEET(ニート)とは?

ニート(NEET : 英語)

NEET=Not in Education,Employment, or Training の略称。

1999年にイギリスの内閣府が作成した報告書で使われたのがこの言葉の由来です。
統計上、「職に就いておらず、学校や職業訓練校等の教育機関にも所属せず、就労に向けた活動をしていない(就労の意思がない)15~34歳の未婚の者」という定義です。

「ニート」「フリーター」「失業者」の違いは?

まずは、よく並べて使われる「フリーター」や「失業者」との違いをみてゆきましょう。

●フリーター・・・アルバイトやパートタイム労働者として不安定ながらも仕事に就き、生計を立てている者。
●失業者・・・失職していはいるが、就労に向けての求職活動をしている者。
●ニート・・・就労に向けた教育・雇用・職業訓練等のいずれにも参加せず、無職・無業の状態を継続している15~34歳の未婚の者。

ニートのみ、「15~34歳の未婚の者」と定義されているのが面白いですね~35歳以上は何と呼ばれるのでしょうか?^^ゞ

とにかく「就労の意思がなく、無業の状態の若年層」という概念から派生して、現代日本社会では「働く意欲のない、無気力で引きこもりがちな若者」をニートと称することもあります。

モラトリアム人間とニートの違いは?

では、モラトリアム(社会的に許された猶予期間を過ぎているにもかかわらず、精神的に未成熟で大人社会に入ってゆけない、大人になることから逃げ続ける心理状態)の渦中にいる「モラトリアム人間」「ニート」の違いは何でしょうか?

◆モラトリアム人間・・・社会人としての当事者意識がなく、大人社会に適応できない青年期(15~30?歳位までの未婚)の者。
◆ニート・・・就労に向けた教育・雇用・職業訓練等のいずれにも参加せず、無職・無業の状態を継続している15~34歳の未婚の者。

モラトリアムが心理学的用語であるのに対し、ニートは雇用形態をあらわす用語であるため
モラトリアム人間は心理的な状態にフォーカスして「社会人としての意識がなく、大人社会に適応できない、適応したくない心理状態を持つ者」と定義されています。

対して、ニートは心理状態はさほど関係なく「就労に向けた教育・公的機関に参加しない、無職・無業の者」という位置づけです。

ピーターパン・シンドローム(Peter Pan Syndrome)

イギリスの戯曲の主人公ピーターパンの名前からつけられた心理的症候群名。
1983年にアメリカの心理学者ダン=カイリーが同名著書で
「(ピーターパンのように)永遠に大人にならない少年のように、精神的に未熟で大人社会に適応できない男性」のことを定義して名付けました。

アダルトチルドレン(Adult Children)

Adult Children of Alchoholicsの略語。
本来は、アメリカでアルコール依存症の親の元で育った成人のことを意味します。

アルコール依存症の患者が居る家庭は家族への虐待や、過剰な共依存、子供に対するネグレクトなど多くの問題を抱えることになり(機能不全家族・家庭ともいう)、その家庭で幼少期を過ごし、成人を迎えた子供が同じような依存症に陥ったり、幼少期のトラウマに悩まされる人のことを指します。

この言葉が日本で注目され始めたのは1995年頃からですが、アルコール依存がアメリカほど問題になっていなかった当時では、アルコール依存にかかわらず、親の虐待、不仲、感情抑制などの機能不全家族の中で育ち、自己のアイデンティティの不安定さやPTSD(心的外傷ストレス性障害)に悩む人のことを指すようになりました。

パラサイト・シングル(parasite singles)

成人した後も親元で生活する独身者のことで、あたかも親を宿主として寄生(パラサイト)しているように見えることから、東京学芸大学の山田昌弘助教授が1997年から使い始めた言葉です。
 

Pino
なるほどね。日本社会で使われている「モラトリアム」は前出の法律用語よりも、心理的用語の意味で使われている場合が多いみたい。

シャルル
天災や戦争などの非常事態に発令されるべきモラトリアムが、一転して平和で裕福な日本で育った若者たちの「無気力さ」や「大人になりたくない」心理を表す言葉として多用されるとは・・・皮肉なものだな。

Pino
でも、平和で裕福なんて・・・良いことよ。戦後、日本はそれを目指して頑張ってきたんだから。職業の選択肢も、生活の自由も増えた今・・・なぜ、そんなに悩んじゃうんだろう?

シャルル
・・・・・・坊やだからさ。

Pino
・・・ちょ、そのセリフ!ハマり過ぎだから!!!

まとめ

モラトリアムの意味は?

1 支払猶予。法令により、金銭債務の支払いを一定期間猶予させること。
戦争・天災・恐慌などの非常事態に際して信用制度の崩壊を防ぎ、経済的混乱を避ける目的で行われる。
2 製造・使用・実施などの一時停止。核実験や原子力発電所設置などにいう。
3 肉体的には成人しているが、社会的義務や責任を課せられない猶予の期間。また、そこにとどまっている心理状態。

モラトリアムの使い方と使用例

モラトリアムが発令される天災・恐慌・戦争などの非常事態の際に、債務の支払いを一定期間猶予すること。
モラトリアムの維持「停止」「(一時的な)禁止(令)」
モラトリアム期間肉体的には成人しているが、社会的責任を一時的に免除あるいは猶予されている青年期。
モラトリアムを脱する社会的に許された猶予期間を過ぎているにもかかわらず、精神的に未成熟で大人社会に入ってゆけない、大人になることから逃げ続ける心理状態。

モラトリアムの類語・関連用語

モラトリアム人間とニートの違いは?

モラトリアム人間社会人としての当事者意識がなく、大人社会に適応できない青年期(15~30?歳位までの未婚)の者。
ニート就労に向けた教育・雇用・職業訓練等のいずれにも参加せず、無職・無業の状態を継続している15~34歳の未婚の者。
 
 

いかがでしたでしょうか?
現代の日本社会を映した「モラトリアム」や「ニート」「ピーターパンシンドローム」などの各ワード、私も勉強になりました!
シャルルの最後のセリフも・・・・・・はじめてマッチしたかな?笑

今回の記事も、皆様のお役に立てましたら…嬉しいです♪
 

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