こんにちは!Pino(@Pinocan4)です。
八百万の神がおわすといわれる日本では「アニミズム」は案外、無意識に信仰している思想かもしれませんね~
というワケで、今回のお題はこの「アニミズム」という言葉です。
早速、謎の?ピグモン解説員
アニミズムとは?
アニミズム(英語:animism )
自然界の諸事物に霊魂・精霊などの存在を認め、このような霊的存在に対する信仰。
英国の人類学者タイラーは、これを宗教の起源とした。引用元: デジタル大辞典より
英語のanimism(アニミズム)は、
《木石なども生物と同じく霊魂があると信ずる説》
《人および物の活動はみな霊の力によると説く説》
などの意味があります。
一方、現代日本社会で主に使われている「アニミズム」も、
あらゆる事物や現象に霊魂,精霊が宿ると信じる観念・信仰。
の意味があります。
アニミズムの提唱者
初めてこの「アニミズム」という言葉を提唱したのは、「人類学の父」と呼ばれたタイラー(Edward Burnett Tylor)というイギリスの人類学者でした。
彼は〈文化〉とは知識,信仰,芸術,道徳,法律,風習などの複合総体であると定義し、諸文化の比較研究を行ったことでも有名です。
また、動植物のみならず、無生物にもそれ自身の霊魂(アニマ)が宿っており、諸現象はその働きによるとする世界観を自著の『原始文化』にて発表し、これを「宗教の原初的形態(宗教の始まりの形)」と考えました。
世界におけるアニミズム
自然崇拝から生まれた原始アニミズム
アニミズムは「自然界の様々な事象や物に霊魂、精霊などが宿る」と信じる観念、信仰のことです。
古代より、人々は嵐や雷などの自然の事象を恐れ、山や巨木、巨岩などに何かが宿っているという考えを持っていました。
しかしながら、「自然」そのものに対して畏怖の念を抱きはしたものの、特にその対象に「人格」を当てはめることはありませんでした。
その後、各民族の慣習や宗教の発達と共に、自然の事象や物には「何かしらの霊魂、精霊が宿っている」という概念が広まります。
今までの「自然」という漠然とした対象ではなく、「神=精霊」という人格(正確には”人”ではありませんが)を対象化した信仰へと移ってゆくのです。
これが「アニミズム=精霊崇拝」となり、身の回りのどんな小さなものにも「神=精霊」が宿り、ゆえにそれに触れたり、粗末に扱うことにより「罰が当たる」「祟りがある」というようなタブー(禁忌)の考え方も現れました。
※タブーをもっと詳しく!
⇒【taboo(タブー)の意味とは?使い方やアンタッチャブルとの違いもわかりやすく解説】
このアニミズムの信仰の対象は、民族やその地域ごとに異なり、昔からの慣習や宗教、世界観によって分かれています。
アニミズムとアニマティズム
前述の「アニミズム」の提唱者タイラーの定義に、このアニミズムの前段階として「原始アニミズム(pre-animism)」を加えたのは、同じ人類学者であり、タイラーの弟子であったマレット (Robert Marett) でした。
彼の提唱する「アニマティズム」は、前出の自然崇拝に基づく「原始アニミズム」と同じ概念を持つ説です。
▶アニマティズムとは?
⇒人々、動物、植物そして無生物は”ある力”を授かっており、その力は[非人間的]でもあり[超自然的]でもある、という説。
- アニミズム⇒人格化された精霊が宿る。→宗教の”神”の起源となる。
- アニマティズム⇒非人間的、非人格的な”力”が宿る。
という違いになります。
太平洋諸島で信仰される「マナ」
このアニマティズムも古くから世界各地でみられる概念ですが、特に太平洋諸島地域において広く信仰されていた「マナ」は実体や人格性を持たない「大いなる力」のことを意味します。
「マナ=大いなる力」は、人やモノに憑りついたり、また転移することもあり、その所有者に超常的な影響を与えるとされました。
マナは太平洋諸島地域で広く信仰されていた神聖な力の概念で、実体や人格性を持たないが物や人に憑いたり転移して、その所有者に超常的な影響を与えるとされる。
例えば、マナが槍や漁網に憑けば所有者に戦勝や大漁をもたらし、病気・疲労などで衰弱した人に注入すれば回復治癒をもたらし、気象急変にもマナが関わっていると考えられていた。>引用:wikipediaより
スターウォーズに世界だな~;
日本におけるアニミズム
世界のアニミズムの流れと同じく、日本においても最初は「原始アニミズム=アニマティズム」が始まりとされています。
「自然」という概念さえ無かった古代日本においても、嵐や暴風、雷など、人間の力の及ばぬもの(自然の驚異)を人々は恐れ、鎮めるために祈り、供え物を捧げました。
やがて神道の起こりと共に、「万物に神が宿る」という”八百万の神(やおよろずのかみ)”という概念が広がり、神社仏閣は元より、御神木や巨岩などにしめ縄をかけ、各集落には稲荷神社、道端には道祖神のほこら、そして家々のあらゆるところに神棚を設け(台所や便所まで)、それぞれの神を祀りました。
▶八百万(やおよろず)とは?
⇒「非常に多くの」「無数の」という意味で、数えきれない程多いことを指す言葉。
そういうシャルルは?信じる神様は、いるの?
まとめ
アニミズムの意味は?
アニミズム(英語:animism )
自然界の諸事物に霊魂・精霊などの存在を認め、このような霊的存在に対する信仰。
英国の人類学者タイラーは、これを宗教の起源とした。
アニミズムとアニマティズム
▶アニマティズム(原始アニミズム)
⇒自然界の様々なものには「力」が宿り、その力は非人間的でもあり超自然的でもある、という信仰。
▶アニミズム
⇒自然界の様々な事象や物には霊魂、精霊などが宿る、という信仰。
アニマティズムは「非人間的」「超自然的」な力が宿る。
対して、アニミズムは人格的な「霊魂」「精霊」が宿る。
日本におけるアニミズム
日本でも最初はアニマティズムによる自然崇拝の信仰。
神道の普及によりアニミズム=万物に神が宿る(八百万の神)という信仰へ移行。
いかがでしたか?
「アニミズム」、実は神道に慣れ親しむ日本人には、意外にも身近な概念かもしれませんね!
「万物に神が宿る=精霊信仰」で覚えておきましょう~
今回の記事も、皆様のお役に立てましたら…嬉しいです♪
もし、「こんな言葉を調べて欲しい」や「〇〇と△△の違いを解説して欲しい」などのリクエスト
または・・・
遠慮なく、↓下のコメント欄に書き込んでくださいね~☆