となりのトトロ』は宮崎駿監督とスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画です。

1988年公開後から国内はもとより海外でも高く評価され「世界のジブリ」の代表作でもあります。

日本でも夏休み時期には何度もテレビ放映されていて、まず子供に見せるジブリ作品は「となりのトトロ」が定説。
今年もきましたよ!金ローこと「金曜ロードSHOW」で今夜9時からです↓


そんな子供から大人まで大人気のトトロですが・・・結局のところ、トトロって何?
森のオバケ?精霊?トロール?

もうすっかり慣れっこになってしまって不思議にも思わない、けれど「そういえば・・・」という数々の疑問、そして巷で都市伝説と言われる謎も考察してゆきたいと思います。

あらすじや設定にネタバレも含まれていますので、未見の方は今夜の「金曜ロードSHOW」を観てから戻ってきてくださいね♪

「となりのトトロ」とは?

宮崎駿氏が原作・脚本・監督、スタジオジブリが制作した長編アニメーション映画。
昭和30年代前半の埼玉県所沢市が舞台。
田舎へ引っ越してきた草壁一家のサツキ・メイ姉妹と、子どもの時にしか会えないと言われる不思議な生き物・トトロとの交流を描いたファンタジー作品です。

「となりのトトロ」興行成績と観客動員数

「となりのトトロ」上映データ
公開日:1988年4月16日
上映館数:東宝洋画系129館(同時上映:火垂るの墓」
観客動員数:約80万人
配給収入:5.9億円
>参考引用:wikipediaより

公開当初、監督初作品の『風の谷のナウシカ』の興行成績を大きく下回り、興行的に失敗となってしまいました。
しかし、キネマ旬報の「日本映画ベストテン」第1位など、各種日本映画関係の作品賞を獲得。

その後、国内外での評価も上がり、世界のアニメ制作関係者はもとより多くのクリエイター達に「いちばん好きな映画」「心に残っているアニメ作品のひとつ」に挙げられています。

テレビ放送でも「金曜ロードショー枠」で隔年のように放映され、ほとんどが視聴率20%以上という高視聴率を記録しており、公開後30年以上がたった現在でも「となりのトトロ」人気は衰えていませんね!

「となりのトトロ」あらすじ

サツキは小学6年生の女の子。入院中のおかあさんに空気のキレイな土地で静養してもらうために、妹のメイとおとうさんと一緒に田舎に引っ越してきた。新しい家は、大きなクスノキの近くに建っているおんぼろ屋敷だ。 到着早々、メイは家に隠れていた小さくて真っ黒なオバケ“マックロクロスケ”を発見!! 近所のおばあちゃんからその“いきもの”が“ススワタリ”という名前だと教えてもらった2人は、ちょっと不思議でステキな出会いにドキドキする。

そして田植え休みも終わり新生活が始まったある日。庭で遊んでいたメイの前に、2匹の奇妙ないきものが現れた! 2匹を追いかけてクスノキの根元に転がり落ちたメイは、巨大ないきもの=トトロと出会う。話を聞いたサツキは自分もトトロに会いに行こうとするが、メイが通ったはずの根元の穴はなくなっていて…?

>引用:金曜ロードSHOWシネマクラブより

制作スタッフ

原作・脚本・監督:宮崎駿
製作:徳間康快
美術:男鹿和雄
音楽:久石譲
制作会社:スタジオジブリ
歌:「さんぽ」 作詞/中川李枝子 
  「となりのトトロ」 作詞/宮崎駿 作・編曲/久石譲 歌唱/井上あずみ

キャスト

サツキ:日高のり子
メイ:坂本千夏
とうさん:糸井重里
かあさん:島本須美
ばあちゃん:北林谷栄
カンタ:雨笠利幸
カンタの母:丸山裕子
カンタの父:広瀬正志
本家のばあちゃん:鈴木れい子
先生:鷲尾真知子
草刈り男:千葉繁
トトロ:高木均
ネコバス:龍田直樹

「となりのトトロ」キャラクター考察

トトロのとなりに居る女の子はだれ?

すっかりこのポスターに馴染んでしまってあまり気にしていませんでしたが・・・
確かにトトロの隣にいる女の子はサツキでもメイでもありません。

この答えは↓の元スタジオジブリ制作の方がツイートしてくださってます。


ポスター図柄は宮崎駿監督がアイデアスケッチで描かれた1枚の中から選ばれたもの。
これは当初、トトロと出会う女の子は1人の設定だったのですが、製作途中で2人の姉妹に分けることになったそうです。

理由としては

  • 映画の尺(長さ)を延ばすため、ストーリーを膨らませる必要があったこと。
  • トトロの隣にサツキとメイの2人を並ばせるとバランスが悪くなること。

よって最初のイメージボードの「トトロと女の子1人」の図柄にすることになりました。

トトロは森のオバケ?精霊(トロール)?

メイとトトロとの出会い

トトロとの出会いはメイが庭で1人で遊んでいた時、小さなトトロを見かけたことから始まります。

好奇心いっぱいのメイは視界の隅に何かが走るのを見つけ、じっと目を凝らします。
だんだんトトロの姿が見えてきたメイは面白がって小トトロを追いかけ回してブッシュのトンネルの中へ飛び込みます。

その奥にある巨樹の洞へ飛び込んだとトトロを追いかけ穴の中へ落ちたメイは大トトロと出会います。

メイがふかふかの大きなお腹の上でトトロのヒゲで遊んでいるうちに眠っていたトトロは目を覚まし大きなくしゃみをするのです。

大はしゃぎしたメイはトトロを怖がることもなく名前を尋ねます。

あなたの名前は、なんていうの?

それの意味がわかったのかわからないのか、トトロは大きな声で答えます。

その答えはどう聞いても「トロロ」だったと思うのですが←個人的にw
メイの耳には「トトロ」と聞こえたのでした。

その後、ブッシュの中で眠っていたメイは探しに来たサツキとお父さんに見つけられます。

メイがトトロと会った、というとサツキが「絵本に出てきたトロールのこと?」と聞き返します。
お父さんは「森の主かもしれないね」と頷くのでした。

トロールとは?

トロルとも呼ばれます↓

北欧神話や民話に出てくる精霊。
山,湖,川などに住み,巨大醜怪な姿をしているが,小さく姿を変えることもできる。

知られているところでは「指輪物語」に出てくるトルーキンという種族。
「ハリーポッター」でも巨漢の一族で出てきますね。

トロールというとつい「ムーミントロール」を思い浮かべますが、これは原作者のトーベ・ヤンソンが妖精のトロールとは違う生き物、と言及しているそうです。

「トトロ」の名前の由来は?

それならば・・・トトロの名前はトロールから来てるの?と思いがちですが。

実は宮崎駿監督が映画の舞台と設定した場所「所沢にいるとなりのオバケ」を縮めたもの、のようです。

一説によると、宮崎監督の知人の少女が所沢を「ととろざわ」と発音していたことに由来するとも言われています。

監督は「舌足らずな子供の言い間違え」を本作品でも意図的に使っていますよね。

メイが「トウモロコシ」と言えずに「トウコロモシ」、「オタマジャクシ」を「オジャマタクシ」とする台詞があります。

そこから推察しても「トトロ」は「ところざわ」が由来説は濃厚のようでね。

トトロは「ヘンないきもの」

宮崎駿監督はその後のインタビューの中でもトトロの正体を明確にしていません。

妖怪なのか、妖精なのか・・・どちらにしろ太古の昔からこの国に住む「森の主」であり、トトロに出会える事はとても運のいい事であるらしいのです。

その正体を宮崎駿監督は「かつてあった神々と人の争いを経て生き残った、もしくは新たに誕生した森の精である」とコメントしている資料もあるようです。

そこには、あの「もののけ姫」のラストに出て来た森の妖精「コダマ」が進化してトトロになってゆくという…

あいかわらず読めない宮崎駿監督のハナシ…笑

ですが、その正体は映画公開時のコピーに集約されているのではないでしょうか?↓

このヘンないきものはまだ日本にいるのです。たぶん。

「まっくろくろすけ」はカマドの精霊?


草壁家に住んでいた、イガ栗のような形に白い目をした黒い生き物。
カンタのおばあちゃんは「ススワタリ」と呼んでいましたね。
家中を煤(すす)と灰だらけにしてしまうのですが、妖怪のように怖いものではなく、ばあちゃん曰く「ニコニコしとれば悪さもしねぇし」

空き家などの人気の居ないところに住みつくため、人が住み始めるといつのまにか居なくなってしまうそう。

同じジブリ作品「千と千尋の神隠し」の中に出てくるススワタリも同じものと考えられます。
釜爺の助手として、わちゃわちゃと石炭運びをするススワタリ、可愛いですよね♪
こちらには生えている細い手足で器用に仕事をしています。
ちなみに好物は↑金平糖(こんぺいとう)w

形態からしてトトロと同じ「ヘンないきもの」ですが、土着の精霊の一種と考えてよいのではないでしょうか。

ネコバスは風の精霊?

巨大な山猫のような姿の不思議な生き物。
身体をボンネットのように変形し、内部に座席などの構造も作れる。
12本の足で水上、電線など、場所を選ばず風のように高速で走り、森の中を抜けることができ、時には立っている木々が脇によけて道を空けることもある。

みんな大好き!ネコバスですね。
個人的にはドラえもんの「どこでもドア」と同じくらい欲しいアイテム(ペット?)

変幻自在に身体の形状を変え、行く先も表示してくれるw

トトロと同様、サツキとメイにしか見えないようです。
風のように里山を走り抜ける時もカンタやばあちゃんには見えないけれど、犬や鳥などの動物に感知されるている様子。

野生の動物の方が第六感で感じるのでしょうか?

トトロが「森の精霊」とするならば、このネコバスは「風の精霊」「風の使い」と考えても良いのではないでしょうか?

これも・・・まあトトロやススワタリ同様「ヘンないきもの」という言葉がいちばん、しっくりくるかも?

となりのトトロの自然観を考察

トトロのお土産はなぜ「ドングリ」なの?

サツキはお父さんを待つバス停で大トトロと出会います。
その時に貸してあげた傘でトトロは雨の雫を受けて大はしゃぎしますよね♪

別れ際のお礼にトトロはササの葉に包んだお土産をサツキに渡します。
その中には、たくさんの木の実(ドングリ)が・・・

実は「どんぐり」はトトロの大好物。
本編ED(エンディング)でも、ドングリを山盛りにして喜ぶトトロが描かれています。

そんな自分的に「美味しい」ドングリをプレゼントする気持ち、分かりますよね。

また、木の実は食べる他にも土に植えて芽吹かせ、成長を楽しむことができます。

初めて会ったサツキと友達になれた、「友情の芽吹き(証:あかし)」として大事な木の実(ドングリ)を贈った、とも考えられます。

庭に植えた実は本当に大木になった?

サツキとメイは月の明るい夜、庭でトトロ達が踊っているのを見つけます。
そこはお土産にもらった「ドングリ」を植えた場所。

ふたりはパジャマのまま庭に出てトトロ達と一緒にドングリが「芽吹くように」祈り、歌い踊ります。

トトロの念力?によりドングリは芽吹き、葉が開き、幹はどんどん伸びていって巨大な大木に成長します。

翌朝、目が覚めたサツキとメイは庭に飛び出しますが・・・どこにも昨夜見た大木はありませんでした。

がっかりする二人でしたが、ふと見ると植えたドングリたちが芽吹き、小さな双葉を出しているのを見つけて「夢じゃなかった!」と喜びます。

芽吹いたのは

じゃあ、その芽吹いたドングリはそのままトトロが成長させたような大木になるのでしょうか?

実はトトロの寝床、棲んでいる洞の木は「ドングリの木」ではありません。

巨樹に成長し、森のようになる木の名前は楠・樟(クスノキ)
クスノキの実はドングリではなく、黒く丸い形状の液果(果肉に水分の多い実:桃やプラムなど)なのです。

通常、ドングリの実をつけるのはブナやナラなどの主に落葉広葉樹。
それなりの高さに成長し樹齢も200~300年を数えますが、クスノキのように樹齢2000年近くの巨樹に成長することはありません。

トトロの寝床はなぜクスノキなの?

totoro_kusu
宮崎駿監督は特別な意味をもってこのクスノキ(楠・樟)を選んだと思われます。

クスノキは本州中南部から四国、九州、沖縄、台湾、中国南部、インドシナに分布する落葉樹。
葉や燃やした煙は古来より防虫剤や鎮痛剤として使われ「薬の木」がクスノキの語源という説もあります。

その防虫の効能から家具や仏像の制作に広く使われてきました。

また樹齢が長く巨木に成長することでも知られており、日本における巨木の上位10位中、8本をクスノキが占めています。
1位の「蒲生の大樟(鹿児島県)」は推定樹齢が1500年、樹高は約30m、幹回りは24.2mにもなる巨樹です。

それゆえ、クスノキは「1本でも森を形成する」と言われているほどで、まさにそれは森を象徴する樹木。

宮崎駿監督がトトロを「森の主」「森の精霊」「太古から棲んでいるヘンないきもの」という設定で思いついた時、彼の棲みかはクスノキ以外考えられなかったのでしょう。

「となりのトトロ」シーン考察

なぜトトロはサツキとメイにしか見えないの?

「となりのトトロ」を見ていくと、トトロやネコバスの姿はサツキとメイにしか見えないことに気づきます。

メイがいなくなってしまった時、サツキはトトロに頼んでネコバスに乗って妹を探しに行きます。

その時、里山の人たちの上を飛び、おばあちゃんとカンタの間を通り抜けた時も、風が強く吹き去っただけで、誰ひとり彼らの姿を見るができなかったのです。

これはサツキのセリフの通り

私たち風になってる!

と言う言葉が答えになっているのではないでしょうか?

「森の精霊」のトトロ、「風の精霊・風の使い」であるネコバスは、通常姿は見えず、風の音や森のざわめきでしか存在を感じることはできません。


では、なぜサツキとメイにだけ見えるのでしょう?

最初にメイがトトロと会った時、すぐにはその姿を確認することはできませんでした。
メイは目を見開いて、じっと目を凝らしていくうちに・・・だんだんとトトロの姿が浮かび上がってきます。

それは「なにかがいる?」⇒「きっといる」⇒「確かにいる!」というようにメイが強く思ったから。
トトロやネコバス達の「見えないものの存在」を信じたからこそ、見えてきたのです。

人は成長してゆくうちに、いろいろな知識や情報を取り込んでゆきます。
しかしそれが時に、子供の時に持っていた純粋に「心の目で見る」ことを邪魔してしまい、そのレンズを曇らせてしまいます。

カンタのばあちゃんが言っていた「(まっくろくろすけ)子供の頃にはワシにも見えたが」の台詞のように、純粋な心の目を持っていた子供の頃には、そこらへんにいる精霊たちも見えたのかもしれません。

その「純粋な心の目」と共に「見えないものの存在」を強く信じたサツキとメイにだけ、彼らが見えていた、ということなのでしょう。

お母さんにはサツキとメイの姿は見えなかった?

ネコバスに乗ってサツキとメイが七国山病院のお母さんに会いに行った時、なぜ二人の姿はお母さんに見えなかったのでしょうか?

それは運んでくれたネコバスによって二人は「風=大気」になっていて、その魔法?がかかったまま病室の窓の外から、お母さんとお父さんを覗いていたようです。

夜になって外が暗いから?との見方もありますが、高い?木の上の枝に座っていたこと、病室も階上のようだったことも考えると・・・そう考えた方が自然な気がします。

ただ、お母さんもサツキとメイの存在には気づいた様子。
お父さんも「そういうこともあるかもしれないね」と特に驚いた感じもないのが「お父さんらしい」ですよね^^

「となりのトトロ」の都市伝説とは?

トトロのように国民的人気が拡がると、巷では面白おかしく語られる「都市伝説」も浮上してきますよね。

個人的にはこの都市伝説、何でそんな話になる?と思うのですが…
現代のSNS等のネット環境では、ことさら拡がりやすいものです。

都市伝説とは?

現代の都市で、広く口承される、根拠が曖昧あいまい・不明な噂話うわさばなし。

メイは池に落ちて死んでいる

こんな明るいストーリーで↑の噂が拡がるのも?な感じもしますが。

途中、メイの行方がわからなくなって、池で見つかったサンダル。

メイはあの時に溺れて死んでしまって・・・ラスト、お母さんに会いに行ったのは幽霊・・・?

「となりのトトロ」の都市伝説

  • 実はメイは池に落ちて死んでしまった。
  • サツキは、おばあちゃんに心配かけまいとサンダルを「メイのじゃない」と言った。
  • サツキはトトロ(死神説あり)に魂とひきかえにメイを探してもらう。
  • ネコバスは現世とあの世をつなぐもの
  • サツキとメイの影が無いシーンがある。⇒すでに死んでしまっている。
  • 幽霊の二人はお母さんにもお父さんにも姿は見えない。

もう笑っちゃうくらい「なにそれ?」的な裏設定ですが…
まあ、ある意味そこまで人気が出ている証拠なのかな?とも。

この都市伝説についてはスタジオジブリの公式「ジブリ日誌」の中で否定されています。

確かにサツキとメイの「影のないシーン」もあるようですが、そこは作画的観点から必要無いため描きませんでした、とのコメント。

制作側も思わぬ都市伝説に、戸惑ったのかもしれませんね。

まとめ

今回は往年の名作「となりのトトロ」のキャラクターやシーンの考察、そして都市伝説についても解説してみましたが、いかがでしたか?

何度見ても面白くて、愛らしくて、ラストがわかっているのにドキドキして、最後はホロリとくる…

そんな名作要素がめいっぱい詰まった作品ですよね!

もちろん、子供と大笑いして見るのも良いのですが、今回ご紹介した「豆知識」や「裏設定」なども頭の隅に入れて視聴すると、また新たな面白さに出会えるかもしれません。

この記事がお役に立てれば幸いです☆

今回もご拝読ありがとうございました。