近年「QOL(キュー・オー・エル)」というワードを耳にすることが増えてきました。
何の略語かな?と、なんとなく思っていたこの「QOL」を今回はピックアップして詳しく解説してみます!
早速、謎の?ピグモン解説員赤いシャルルと一緒に意味を見てゆきましょう。
QOLとは?
[形動]
Quality of life(クオリティ・オブ・ライフ)の略
《「人生の質」または「生活の質」と訳す》
広義には、恵まれた環境で仕事や生活を楽しむ豊かな人生をいう。狭義には、特に医療・福祉分野で、延命治療のみにかたよらずに、患者の生活を向上させることで、患者の人間性や主体性を取り戻そうという考え方。QOL。
>参考引用:デジタル大辞泉より
QOLは英語のQuality of lifeの略語です。
直訳すると「人生の質または生活の質」で、英語でも improve the quality of life(生活の質の向上)のように文中で使われます。
もともと、医療・福祉分野の言葉でしたが、現在では一般の会話の中でも使われるようになりました。
現代日本社会におけるQOLも同じように
- 人生の質
- 生活の質
- 生きがい
- 満足度
の意味で使われています。
呼び方は略称のアルファベットQOL(キュー・オー・エル)と呼ぶのが一般的です。
QOLは「人生の質」を示す概念
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは「人生の質」を示す概念で、主に医療や福祉の分野で用いられてきました。
治療が主体だった医療・福祉の現場
「健康」の概念が「病気の無いこと」とされていた頃、医療・福祉の現場では病気やケガを治す「治療」が主体でした。
そのため、患者への負担の大きい数回にわたる手術や延命治療など、患者が望む「本来の理想的な生き方」「人間らしい生活」がなされていない状況がありました。
「健康」の概念を見直したQOL
1947年、WHO(世界保健機構)は、あらためて「健康」とは次の6つを満たしている状態と再定義しました。
- 身体
- 心理
- 社会関係
- 自立
- 経済
- 宗教
それに伴い、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の概念も「健康に生きるだけでなく、いかに豊かに心身が満たされた生活をおくれるか」ということに重点を置くものとなりました。
これにより医療や福祉の現場でのQOLは、患者や高齢者、障がい者の尊厳を保ち、本人の望む「理想的な生き方」ができるようにサポートする形へと変わってきています。
一般的に使われるQOLとは?
最近、QOLは一般の会話の中でも聞かれるようになってきました。
意味も「人生の質」「生活の質」「生きがい」「満足度」と同じニュアンスで使われています。
医療・福祉の現場においては、患者や高齢者、障がい者など「なんらかの理由で通常の生活をおくることが困難」「サポートを必要とする」人達に向けて使われる指標ですが、一般社会で使われる場合は
QOL(Quality of Life)
恵まれた環境で仕事や生活を楽しむ豊かな人生をおくること
という、ポジティブなワードです。
よって「QOLを上げるには」「QOLの向上をめざす」のように使われています。
QOLの使い方と使用例
例) 入居者のQOLの希望を聞き、アセスメントを行います。
このQOLは「生活の質」や「生きがい」という意味です。
WHOが定義した6つの「身体・心理・社会関係・自立・経済・宗教」のどこに重きを置くのか、は個人によって異なります。
「心身の病気やケガがないのが幸せ」かもしれないし、「夫婦仲、家庭円満」がQOLのトップ条件の人もいるでしょう。
このようにQOLは、まず「個々の希望を聞く」ことから始まります。
医療や看護、リハビリ、介護、福祉の分野では、それらを元にアセスメント(評価)を行い、治療や介護の方針を決める指針とします。
例) 「QOLの向上」が、これからの課題となります。
こちらのQOL「生活の質」「満足度」の意味です。
いかに「恵まれた環境で仕事や生活を楽しむ豊かな人生をおくること」ができるか?というテーマで、雑誌やWebメディアでも「QOLを高めるには?」などの特集が組まれるほど。
物質的に豊かな現代人が欲する次のモノは、心身を満たしてくれるもの=満足度(QOL)なのかもしれません。
QOLとADL
ADLとは?
ADLとは「Activities of Daily Living」の略語(頭字語)で「日常生活動作」のことです。
QOLと同じく医療・福祉の分野の言葉で、ADLは「人が日常生活を送るために必要な基本的な活動」を意味します。
下記のADLの項目ができるかどうか?を調べて評価(アセスメント)し、治療やリハビリ、介護の方針を決めます。
【基本動作】
・寝返り
・起き上がり
・立ち上がり
【セルフケア】
・食事
・整容(歯磨き、髭剃り、化粧など)
・入浴(体洗、洗髪、浴槽移乗など)
・更衣(ズボンや上着、下着の着脱など)
・トイレ
・移動・移乗
・車椅子または歩行(杖歩行や歩行器歩行など)
・階段
・移乗(トイレ移乗、ベッド移乗など)
>参考引用:リハプラン公式サイトより
QOLとADLの関係
それでは「QOLとADL」は、どのような関係なのでしょうか?
QOL⇒生活の質、生きがい、満足度
(アセスメント:人間らしく満たされた生活をおくれているか?)
ADL⇒日常生活動作
(アセスメント:日常生活に必要な動作が、どの程度自分で行えているか?)
基本的な日常の動作であるADLの能力の一部が低くても、生きがいを見つけて生活を楽しめるのであればQOL(満足度)を高めることができます。
逆にADLに問題が無く、健康体であっても、精神的に悩み、生きがいも持てずに日々暮らす人も居るでしょう。
年齢や健康状態など、各個人の状況は異なりますが、このADLとQOLのバランスを上手く調整することで「満足度の高い生活」をおくれるようになります。
まとめ
QOLの意味は?
- 人生の質
- 生活の質
- 生きがい
- 満足度
今回は「QOL」について解説しました。
もともと医療や福祉の現場で使われていた言葉ですが、今では一般の会話の中でも見聞きするQOL
「生活の質」や「生きがい」もっと脚色すると「恵まれた環境で仕事や生活を楽しむ豊かな人生をおくること」覚えておくといいですね!
今回の記事も、皆様のお役に立てましたら…嬉しいです♪