こんにちは!
知らないうちに人生の「イニシエーション」をくぐり抜けてきた~Pinoです^^

というワケで、今回のお題は「イニシエーション」です。

早速、謎の?ピグモン解説員赤いシャルルと一緒に意味を見てゆきましょう~

シャルル
失礼な紹介だな……私を誰だと思っている!

Pino
だから!アナタ、だれ!?

イニシエーションとは?

イニシエーション(英語:initiation )
特定の集団に成員として加入する際に行われる儀礼。
それによって社会的・宗教的地位の変更が達成されるが、しばしば肉体的・精神的試練を伴い、その内容は外部に漏らしてはならないとされることが多い。若者組のような年齢集団への加入や成人式もその一例。加入儀礼。参入儀礼。
→ 通過儀礼

英語のinitiation(イニシエーション)
ラテン語 inīre 「中に入る,始める」の意; 動詞 initiateが、語源の言葉で


①開始、創始、創業
②加入、入会、入門、入会式
③手ほどき、手引き、秘伝を伝えること

などの意味があります。

英語会話の中でも↓のような形で使われています。

●the initiation of a new bus route
新しいバス路線の開通.

●an initiation into the dogmatics of Zen Buddhism
禅学への入門.
 
現代日本社会で使われている「イニシエーション」は下記のような意味で使われています。

①「ある社会集団へ成員として加入すること。入門。入会。加入儀式。参入儀式。通過儀礼」
②「元服。成年式。入社式」
③「手ほどき。手引き。秘伝の継承」
④「開始。創始。創業。事始め」

基本的な意味は「ある社会的集団から他の社会的集団への加入、認知、編入されるための一連の行為、手続き」を意味します。

これらの異なる集団へ加入する際には、様々な「通過儀礼」を伴うことがあり、そこで認められて初めて、加入(編入)を許されます。

この通過儀礼の形態は、ある特定の分野、また世界的には、民族や地域によって異なります。

各分野別の意味について解説してゆきましょう。

民俗学の分野におけるイニシエーション

人類学用語である「イニシエーション」の発祥は民族学(文化人類学)と言われています。

古くから世界中の民族において、人が成長してゆく過程の節目ごとに「イニシエーション=通過儀礼」は行われていました。

通過儀礼とは?(rite de passage)
⇒オランダの民俗学者ファン=ヘネップが提唱した用語で、
「ある状態から別の状態へ移行する際に行われる儀礼」のこと。

特に、人の一生における誕生・成人・結婚・死などの際に執り行われる儀礼のことを指す。

へネップが提唱した「通過儀礼」は主に3つの区分に分けられます。

①分離の儀礼
②過渡の儀礼
③統合の儀礼

例えば、日本古来の「死」に対する儀礼でみてみましょう。

分離家族に死者が出た場合、葬儀を執り行う(今生と分離する儀礼)
過渡死者が極楽浄土へ向かう修行期間。遺族も「忌中」として籠る(過渡の儀礼)
統合四十九日を経て死者は成仏し、遺族は喪明け(忌明け)にて現世へ戻る(統合の儀礼)

宗教、宗派、または地域によって、執り行う儀礼や機関は異なりますが、この3つの「儀礼=イニシエーション」を通ることによって、死者は極楽へ迎えられ、遺族は現世に再び戻ることができるのです。

世界的にみても、各地域、民族によって独特のイニシエーションが多くみられます。

メラネシア・ペンテコスト島のバンジージャンプ
島の若者が足首に蔓を結わえつけ、30メートルほどの高さの櫓(やぐら)から地上に向かって飛び降り、成人としての威信と名誉を手に入れる通過儀礼。

各民族における身体変工
オーストラリア先住民は成年式に際し、一部抜歯を行う。
ニューギニアでは、同じく成年式に骨製の針で鼻の穿孔を行い、ポリネシアでは入墨のない男性は結婚する資格がないとされている。

身体変工(しんたいへんこう)とは?
自然のままの身体の一部に外科的な変形加工を行うこと。

瘢痕文身,入墨,彩色などの皮膚加工や抜歯,手指切断,脱毛,穿孔,割礼なども身体変工といえるし,広義には中国の纏足 (てんそく) ,宦官 (かんがん) も含まれる。

【身体変工の意味】
●元服や成人式、結婚式などの節目の通過儀礼。
●呪術的、まじない、魔除け、または幸運を呼ぶ意味。
●自然物と、人間を区別する印。
●各民族ごとの審美感による魅力を増長させるための装飾。

宗教学の分野におけるイニシエーション

宗教におけるイニシエーションは民俗学と共有される部分もあります。

宗教における主なイニシエーションとしては、その宗教教徒へ入信する時に執り行われる「洗礼」という行為です。

キリスト教の場合、カトリック、プロテスタント等の各教派によって方式は異なりますが、次のような行為が行われます。

浸水身体を聖水に浸す(主に幼児洗礼の時に行われます)
灌水頭部に聖水を振りかける。
滴礼頭部に手で聖水をつける。

また、前項の身体変工でもありましたが、宗教的な意味で性器の一部を切り取る「割礼」という儀式も、イスラム教圏、ユダヤ教圏、アフリカ、オーストラリアなどの地域において実施されていました。
(現在も残っている地域あり)

日本においても、テロを起こしたカルト教団は、これら宗教におけるイニシエーションを模して、信者たちの信仰心を高める目的(=マインドコントロール)で、奇怪な儀式を執り行っていたと言われています。

 

Pino
わ~世界中には色々なイニシエーションがあるんだね!でも、身体的に痛いのとか・・・イヤだな;

シャルル
それぞれの民族の伝統や慣習に関することなのであまり干渉しづらいところだが…やはり、昨今では幼児や女性への「虐待」にあたる、という運動も起きているそうだ。

Pino
そうだね~自分で選択できるものであればイイのだけれど。何も分からない幼少に受けさせるのは・・・現代においては考慮すべき点だよね。

社会学の分野におけるイニシエーション

社会学のイニシエーションもまた、民俗学と深く繋がっています。

日本における社会的なイニシエーションは古来より、「人生の節目」に執り行われ、「子供社会から大人社会への仲間入り」や「嫁ぎ先へ入る」のような、生活環境や待遇が一変するような形態を意味しました。

「元服」・・・年齢は特に定められていないが、おおよそ12歳から15,6歳の間に行ったと思われる。
身分や家柄、時代によって儀式は異なるが、髪型や服装、そして今までの幼名をあらため、実名を名乗ることになった。

「成年式」・・・子供から大人の社会へ仲間入りし、心身ともに一人前の人間として社会的に承認される式。

現代日本の「成人式」は、終戦後の1948年に1月 15日が国民の祝日として「成人の日」と制定され,成人 (満 20歳) を祝福する行事が行なわれるようになりました。

その後、国民の祝日に関する法律の改正により,2000年から1月の第2月曜日に変更されました。

心理学の分野におけるイニシエーション

心理学におけるイニシエーションは
「心理的に受けた衝撃や傷心を通過して、次の段階(ステップ)へ進むこと」という意味になります。

それはいわゆる「失恋」という心理的衝撃を経て、少年・少女から大人へ変わる様をあらわしたり、今まで親の保護下では、経験したことのないような困難や悩みを乗り越えて、「違う世界へ進み、新たな人生が始まる」のような意味合いで使われることもあります。

医療の分野におけるイニシエーション

医療におけるイニシエーションは、がん治療の場面で用いられます。

健康な身体に、がん細胞が発生するまでの過程をあらわす「多段階発がん」の説明の際に使われる言葉です。

【多段階発がんの過程】
発がんイニシエーション(作用)(Initiation Action)
発がんの最初のステップのことをイニシエーション(Initiation)といいます。
通常、何らかの原因により傷ついた遺伝子は、細胞自らの持つ修復機能や、細胞自体が消滅すること(アポトーシス)により、ほとんど問題になることはありません。

しかし、まれに化学物質や放射線などによって引き起こされたDNA損傷が修復されず、突然変異として遺伝子に固定され、腫瘍発生に関与する遺伝子に機能異常をもたらす(遺伝毒性)過程を指します。
イニシエーションを起こす物質をイニシエーターと呼びます。

発がんプログレッション(作用)(Progression Action)
イニシエーションを受けた細胞がプロモーターの影響下に増殖しているとき、重要な遺伝子異常が生じると、細胞は腫瘍性変化を起こします。このステップをプログレッション(Progression)といいます。

発がんプログレッション(作用)(Progression Action)
イニシエーションを受けた細胞がプロモーターの影響下に増殖しているとき、重要な遺伝子異常が生じると、細胞は腫瘍性変化を起こします。このステップをプログレッション(Progression)といいます。

>参考引用:「NPO法人 抜苦ねっと」より

ビジネスの分野におけるイニシエーション

ビジネスで使われるイニシエーションは、「企業社会という新しい環境に足を踏み入れた新入社員が、その組織に適応するために乗り越えなければならない試練や課題=加入儀礼」を意味します。

米国の産業組織心理学者D・フェルドマンが提唱したイニシエーションは次の2つです。

●「職場集団への加入儀礼(グループ・イニシエーション)」
⇒集団や人間関係への加入儀礼として、組織への忠誠心や協調性を示すことではじめて周囲に受け入れられる経験のこと。

●「職場の仕事上の課題面での加入儀礼(タスク・イニシエーション)」
⇒職場の仕事上の課題面での加入儀礼として、一定の成果を上げてみせることではじめて周囲に認められる経験のこと。

スピリチュアルな分野におけるイニシエーション

スピリチュアルな世界でのイニシエーションは、
自分の意識を現在の物質世界(3次元+時間という4次元の世界)から抜け出して、5次元の世界へと上昇させる「解脱」あるいは「覚醒」の意味です。
 

 

Pino
へえ~思った以上に色々な分野で使われていることに~吃驚したよ!

シャルル
基本の「様々な試練や苦しみを乗り越えて、新たな集団に加入する、次のステージへ進む」という意味は、ほぼ共通しているかな。

Pino
うん、そのイメージだけ何となく覚えておいて・・・
現代では簡単に「通過儀礼」で通ってるみたいだから~それで覚えておいてもいいよね!

まとめ

イニシエーションの意味は?

イニシエーション(英語:initiation )
特定の集団に成員として加入する際に行われる儀礼。
それによって社会的・宗教的地位の変更が達成されるが、しばしば肉体的・精神的試練を伴い、その内容は外部に漏らしてはならないとされることが多い。若者組のような年齢集団への加入や成人式もその一例。加入儀礼。参入儀礼。 → 通過儀礼

分野別のイニシエーションの意味

民俗学におけるイニシエーション
それぞれの民俗内の風習・伝統における通過儀礼のこと。
宗教学
それぞれの宗教における入信時の儀礼のこと。洗礼。
社会学
人生の節目に行う儀式。元服。成年式。
心理学
心理的に受けた衝撃や傷心を通過して、次の段階(ステップ)へ進むこと。
医療の分野
がん細胞が発生するまでの過程をあらわす初期ステップのこと。
ビジネスの分野
職場集団や仕事上の課題面に対する加入儀礼のこと。
スピリチュアルな分野
意識を物質世界から5次元の世界へ解脱、覚醒させること。

 

いかがでしたか?
「イニシエーション」も様々な分野で使われている言葉ですね!
7つの意味のイメージは掴んでおいて~「通過儀礼」で覚えておくとよいですね^^

今回の記事も、皆様のお役に立てましたら…嬉しいです♪
 

もし、「こんな言葉を調べて欲しい」「〇〇と△△の違いを解説して欲しい」などのリクエスト
または・・・赤いシャルルにこんなセリフを言って欲しい!というコアな要望がありましたら(笑
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