>画像引用:「映画 聲の形」公式ツイッターより
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2016年に公開されたアニメ映画『聲の形(こえのかたち)』
原作は大今良時氏のコミック、そして山田尚子監督、京都アニメーション製作の本作は、国内のみならず海外でも高く評価され、数多くの賞を獲得しています。
2020年7月31日の金曜ロードSHOWにて放送される予定で、すでにSNSでも話題になっていますね!
先日「聲の形」の概要や評価・感想の記事をアップしましたが、そちらは未見の方のために「ネタバレなし」で作成しました。
こちらでは、もう1歩踏み込んだ完全結末までの「ネタバレあらすじ」と作品中にちりばめられたキーワードの考察をしてみたいと思います☆
「聲の形」をまだ見ていなくて、ネタバレ困る!という方は・・・鑑賞後、また来てくださいね!
まずは基本的な「聲の形」情報を読みたい!という方↓
【アニメ映画【聲の形】声優と京アニ制作スタッフやあらすじ感想も(ネタバレなし)】
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アニメ映画「聲の形」結末までのあらすじ(ネタバレあり)
プロローグ
>画像引用:「映画 聲の形」公式ツイッターより
映画「聲の形」プロローグは石田将也(いしだしょうや)が身辺整理をしているところから始まります。
部屋にかかっているカレンダーは印がついたところまでしか頁はなく、「その日」までの1日1日を将也はカウントダウンしてゆきます。
バイト先を辞め、自分の部屋の荷物を整理し、不要なものを売り払い・・・そして貯めたお金を全額、ATMでおろして・・・そのお金の入った封筒をある朝、母親の枕元に置いて家を出るのでした。
向かった先は橋の上。
彼が今まさに川に飛び込もうとした時、河原で遊んでいたグループが打ち上げた花火の音が響き渡り・・・将也は飛び込むタイミングを逸してしまうのでした。
将也の回想(小学校時代)
将也が回想するのは6年前の小学校6年の教室。
ある日、将也のクラスに聴覚障害のある西宮硝子(にしみやしょうこ)が転校してきます。
筆談用ノートに自己紹介を書いて見せる硝子。
クラスメイト達は最初、それぞれのアプローチで硝子に接します。
硝子が聞き取れないことをノートに書きとめて渡す植野直花(うえのなおか)。
手話の勉強をして積極的にコミュニケーションを取ろうとする佐原みよこ(さはらみよこ)。
しかし、硝子とのコミュニケーションの難しさや、彼女をサポートすることによる負担がしわ寄せになり、クラスメイトの間では、だんだんと不満がつのってゆきます。
そのうえ、そんな生徒たちを導くべき教師たちが障害に対する理解が乏しく、またきちんと生徒たちに向き合おうとしませんでした。
将也もそんな硝子の状況を最初は気にかけ、不器用ながらも助けようと試みますが・・・なかなか上手くゆきません。
コミュニケーションできない苛立ちから…やがて将也も硝子のことを疎ましく思うようになってしまうのでした。
エスカレートしてゆく「いじめ」
やがて、植野や川井は女子の間で硝子の悪口を言いはじめ、将也をはじめとする男の子たちは硝子の筆談ノートに落書きしたり、池に落としたり、水をかけたり…
そして耳に付けている補聴器を取り上げ、耳に傷を負わせるなど「いじめ」はクラス全体を巻き込んで、エスカレートしてゆくのでした。
硝子の母からの連絡で「いじめ」は学校側に知れるとことなり、学級会での問題に上がります。
担任から主犯格と名指しされた将也。
彼は自分がやったことを認めたのですが・・・なんと、他のクラスメイトは彼一人に罪を被せてしまいます。
反論する将也の言い分は担任には聞き入れられず・・・この出来事がきっかけとなり、今度は「いじめ」の対象が将也へと移ってゆきます。
毎朝、隠された上履きはゴミ箱の中から見つかり…将也のノートや教科書は池に投げ込まれます。
ある日、ずぶ濡れで帰ってきた将也を母は心配しますが、彼は「川に入って遊んだ」と答えるのでした。
将也の母が黙って弁償した170万円
その日、母が将也を連れて硝子の母に会いに行きます。
それは・・・今までの「いじめ行為」により壊された補聴器代170万円を弁償するためでした。
ある日の下校時、いつものようにいじめられ、池に突き落とされた将也は池に浮いている硝子の筆談ノートに気づきます。
持ち帰ったノートを渡しそびれたまま・・・硝子はやがて他の学校へ転校してしまうのでした。
一方、将也へのいじめは小学校、中学校卒業まで続き、すっかり人間不信になってしまった将也。
彼の視界の中のクラスメイトや他人の顔には✖が貼られ、誰ともコミュニケーションが出来ない日々を過ごしていました。
高校に入り、新しい友達ができるかと思いきや・・・一緒に進学した川井に「小学校の頃、いじめをしていた」という噂を広められ、またもや殻に閉じこもってしまう将也。
自分はこの罪を背負い、罰を受ける必要のある人間なのだ。
自己否定により心を閉ざしてしまった将也は、そのまま高校3年生の春を迎えるのでした。
高校3年生になった将也と硝子の再会
>画像引用:「映画 聲の形」公式ツイッターより
小学校の時に池で拾った硝子の筆談ノート。
それを持った将也は硝子が通う手話サークルを訪れます。
再会した硝子に謝ってから死のう、と考えていた将也でしたが・・・手話で伝えたのは
「友達になってほしい」
というサイン。
自殺することを思いとどまった将也は毎週手話サークルの後に鯉にエサをやる硝子と会うため、水門橋へ通いはじめます。
彼女と会う口実となる「いいパン(鯉のエサ)」を持って手話サークルを訪れる将也でしたが、その入り口に立ちふさがるのは硝子の「彼」と名乗るひとりの少年。
それゆえ、硝子と会うのをためらっていた将也でしたが・・・実は彼女の妹の「結弦(ゆずる)」であることが分かります。
小学校時代、姉の硝子をいじめいてた事実を知っていた結弦は最初、将也と姉の仲を邪魔しようとしますが・・・家出した自分を自宅に連れ帰って泊めてくれたり、勉強を教えてくれたりと面倒を見てくれる将也の姿に、すこしずつ気持ちを許してゆきます。
また、彼が心から姉のことを思って接していること、また硝子もだんだんと将也に惹かれていることに気づき、一転応援する側にまわるのでした。
新しくできた親友と過去の友人達との出会い
高校に入学しても周りの人間の顔にはずっと✖が貼りついたまま・・・孤立していた将也でしたが、不良にからまれているところを助けたことをきっかけに「永束くん」という友達ができます。
彼の明るさとユーモア溢れるキャラクターは将也の周りに対する緊張を少しずつほぐしてくれるのでした。
ある日、硝子が会いたいと言っていた小学校時代のクラスメイト「佐原みよこ」を探して将也と硝子は彼女の通う学校へ向かいます。
佐原と再会を果たした後、引き寄せられるように過去のクラスメイト植野直花とも再会しますが・・・相変わらずの辛辣な態度に気まずい思いをする将也でした。
ポニーテールと月
>画像引用:「映画 聲の形」公式ツイッターより
季節が移るように、ふたりの仲も少しずつ近づいてゆきます。
硝子はある日、髪型をポニーテールに変えてみました。
そして・・・自分の想いを「声」で伝えようと、いつもの橋の上で将也に「スキ」と告白します。
しかし、いつもの手話とは違うコミュニケーションは将也にうまく伝わらず、彼は「ツキ?」と手話で聞き返してしまうのでした。
言い直すのも恥ずかしい硝子は思わず、頷いてしまい・・・
家に帰って自分のベッドに倒れ込む硝子。
心配した結弦は、聞き出した出来事に思わず噴き出すのでした。
過去と向き合う遊園地
>画像引用:「映画 聲の形」公式ツイッターより
そんな新しい友人と過去の友人と、ひょんなきっかけで遊園地に行くことになった将也と硝子。
そこで植野は硝子と2人きりで観覧車に乗り、お互いの溝を埋めようとしますが・・・わけもなく謝罪する硝子に「ちゃんと向き合おうとしない」と腹を立てる植野。
一方、将也は植野のはからいで遊園地の売店で働く島田(いじめの加害者)に引き会わされたのですが・・・突然の再会をどちらも受け入れられずに、後味の悪い別れ方となりました。
その時の歪みは・・・後日、形となってあらわれます。
硝子を「いじめいていた過去」を再び吹聴された将也は、新しい友人の永束、そして真柴に酷評されてしまいます。
過去の友人達にも再び「いじめの責任」を負わされ、新しい友人達にもキツイ言葉を投げかけられて・・・将也もつい各々に辛くあたってしまいます。
また友人達が彼の元から去ってしまい・・・再び孤立してゆく将也。
そんな彼を眺めるのが、いたたまれない硝子なのでした。
それぞれが見上げる夜空の花火
友人達との間がギクシャクしたまま学校は夏休みに入りました。
空元気にふるまう将也は、硝子や結弦をいろいろな場所に連れてゆきます。
心配した結弦は将也を母:八重子の誕生日パーティに誘うのでした。
最初は娘をいじめていた将也をよく思っていなかった八重子でしたが、不器用ながらも硝子や結弦に真摯に接する彼の姿勢は、彼女の気持ちをだんだんと和らげてゆくのでした。
そんな夏の終わり、将也は西宮家3人と花火大会へ行くことになりました。
賑やかな屋台。
楽しそうに行きかう人々。
河原で花火を見上げる将也や硝子と同じように。
会っていない友人たちもまた、それぞれの場所で同じ花火を夜空に見上げているのでした。
打ち上げ花火の振動で揺れるコップの波紋を見つめる硝子。
そんな彼女は突然、勉強があるから、と言い出して、独り家に帰ってしまうのでした。
将也は、とまどいながらも硝子を見送り「またね」のサインをすると・・・
硝子は「ありがとう」という手話で応えるのでした。
何か釈然としない将也の前に・・・夜店から帰ってきた八重子と結弦が現れます。
話を聞いた結弦も何かを察し、将也に家のカメラを取ってきてほしい、と頼むのでした。
掴んだ手
西宮家に戻った将也は玄関先に置いてあるカメラを手にし、電池を確かめます。
呼びかけた硝子の返事はなく、代わりに開け放たれた窓からの夜風が…
顔を上げた将也の目の先には、浴衣姿の硝子がベランダの手すりの上に立っていました。
驚愕して「硝子」の名を叫ぶ将也。
その足はもつれてダイニングの椅子につまずき転んでしまい・・・次に面を上げた時には飛び降りる硝子の姿が・・・!
ベランダに飛び出て間一髪、硝子の片手を掴んだ将也は、必死に彼女の身体を引き上げます。
不安定な姿勢のまま、けれどようやくその手をたぐり寄せた反動で・・・彼の身体はベランダ下へ落ちてしまうのでした。
夢の中で
>画像引用:「映画 聲の形」公式ツイッターより
将也は水の中に落下し、冷たい・・・そして、温かい・・・と感じながら・・・眠りにつきます。
それはマンション下のコンクリートの冷たさと、流れる生温かい血の感触だったのかもしれません。
病院に運ばれ、意識不明のまま、眠り続ける将也。
見舞いに訪れた八重子と結弦は将也の母:美也子に土下座して謝ります。
一方、片腕を負傷しながらも将也に命を救われた硝子も彼の病室を訪れますが、付き添っている植野に追い返されてしまいます。
しかしその後も、晴れの日も雨の日も風の日も・・・病院の外には硝子の姿が。
そんなある夜、硝子は将也の夢を見るのでした。
飛び起きた硝子は、いつもの橋の上に駆け付けますが・・・もちろん、そこには将也の姿はなく、橋の欄干に掴まったまま泣き崩れます。
その頃、将也もまた混濁した意識の中、突然目を覚まし、自分に繋がれた点滴などの管を外して病室から出てゆくのでした。
目指すのは、やはりあの水門橋の上。
混濁した意識の中で見かけた硝子は居るはずもなく・・・と思いきや、欄干の陰に彼女の姿を見つけます。
驚いて互いに見つめ合うふたり。
そこで将也はあらためて、硝子に対して謝罪をするのでした。
そして・・・「生きるのを手伝ってほしい」と手話で伝え、それに対して硝子は「約束する」と手話のサインを作った手を、将也の手に重ねるのでした。
エピローグ:学園祭
>画像引用:「映画 聲の形」公式ツイッターより
回復した将也は硝子と共に学園祭に向かいます。
退院後、はじめて訪れる学校の雰囲気、周囲の視線に敏感になっていた将也は、緊張のあまりトイレへ籠ってしまいます。
心配して駆け付けた永束の行動により、少しずつ落ち着いた将也はトイレのドアを開けて・・・学園祭に戻るのでした。
そこには同じく彼を心配する川井や真柴、そして遊びに来た植野や佐原も合流します。
そんな友達の輪の中で将也は自分の心がだんだんと緩んでゆくのを感じ・・・彼は「皆と一緒に文化祭をまわりたい」と言い出します。
気が付くと、彼の周囲の人々の顔からは「✖」が一枚一枚、剥がれてゆき・・・それぞれの顔をはっきりと見ることができるようになっていました。
そして、ふさいでいた耳から手を離すと、周りの人達の会話、笑い声が自分の中に流れ込んできて・・・
そこではじめて、将也は周りの人々を「受け入れ」、そして自分の存在が周りに「受け入れられた」と感じるのでした。
アニメ「映画 聲の形」の考察
なぜ硝子は自殺しようと思ったのか?
だんだんとふたりの距離が近づいてゆき、西宮の母:八重子にも許され、家に出入りできるようになった将也。
夏の終わり、ふたり並んで打ち上げ花火を楽しむ図はすでに恋人同士のようです。
それにもかかわらず・・・
なぜ、西宮硝子は自宅ベランダから飛び降りようと思ってしまったのでしょうか?
これには原作や映画公開当時から、ファンの間でさまざまな憶測がされていましたが…
原作者の大今良時氏による「公式ファンブック」にその解説が書かれています。
3歳の時に判明した硝子の聴覚障害。
それが原因のひとつとなり、両親は離婚してしまいます。
障害を持つ姉が居ることで妹の結弦はいじめられ、不登校に。
転校した先でも自分が居ることでクラスの雰囲気が悪くなってしまった…
硝子は幼い頃から「自分の壊してきたもの」をひとつずつカウントして、積み上げてきたのでした。
彼女はぼんやりと「自分が居なくなること=死」を意識しはじめます。
(それに気づいた結弦は”死骸”の写真を撮り始める)
その積み上げた重み(罪悪感と自己嫌悪)は彼女を静かに押しつぶしてゆき・・・そして、自分のせいでまた将也と友達の関係を「壊してしまった」時、最後のカウントをしてしまうのでした。
つまり、彼女が自殺を思い立ったのは咄嗟的なものではなく、彼女の中でずっとくすぶっていた想いが原因だったのです。
散りばめられたピース(キーワード)
劇中にはいくつもの「ピース(キーワード)」が散りばめられていたのに気づかれましたか?
- 将也(しょうや)と硝子(しょうこ)
同じ「音」を含むが異なるもの。似ているのに違う景色を見ているふたり。
- 将也の首の後ろに出ているタグ/裾の片側が外に出ている服
自分のことが「見えていない」「知ろうともしていない」自己否定・自己嫌悪の象徴
- 結弦が撮る死骸の写真
自殺願望があった姉を思いとどまらせるために「死」の無惨さをフィルムにおさめていた。
- 将也の母がピアスを引きちぎった時の耳の血痕
息子が硝子にしてしまったことへの贖罪。
- 将也と硝子が飛び降りようとする時の花火
すべての「切り替わり」「断ち切るもの」「警鐘」
- 水面の波紋
一滴の雫が周りに及ぼす影響。硝子の象徴(と本人は思っている)
前述の公式ファンブック等に原作者の解説もあるようですが・・・↑は他ブログ記事を参考にしたり、自分なりに考察したものです。
ほかにも蝶や鯉、花など・・・気になるキーワードがいくつも。
それぞれチェックしながら鑑賞すると・・・「映画 聲の形」の面白さが倍増するかもしれませんね!
まとめ
今回は京都アニメーションの名作『聲(こえ)の形』の最後までのあらすじ(ネタバレあり)と考察をご案内しました。
公開当初から話題になり、数多くの賞を受賞している本作。
今までエンターテインメントの中では扱いにくかった題材「聴覚障害者」や「いじめ」がテーマのように思われていますが・・・
実は、原作者や監督が表現したかったのは
「人と人が互いに気持ちを伝えることの難しさ」
これは「言葉」という便利なツールを持っているはずの人間が、何故かそれを使いこなせず、もがき続ける不可思議なこと。
返してみると・・・それは「言葉」を過大評価しすぎて、ほかの「伝える」手段をおろそかにしている償いなのかもしれません。
この『聲(こえ)の形』を観て…あなたの胸には何が残りましたか?
「人が人に何かを伝えること=コミュニケーション」について、あらためて考えるきっかけ与えてくれた本作は、きっとこれらかの人生で何度も見返す作品となるでしょう。
もし、この「ネタバレ」を読んで少しでも興味を持たれましたら・・・ぜひアニメーション映画「聲(こえ)の形」を鑑賞してみてくださいね。
長文記事、ご拝読ありがとうございました☆
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