今回のお題は「ロックダウン」です。
ここ数年、緊急時に見聞きしていた言葉ですが、今回のコロナウイルスのパンデミック(感染爆発)により一気にニュースやSNSで広がりました。
2020年3月末現在、すでに世界の20%以上がこの「ロックダウン」に入り、北米、欧米、オセアニア、そしてインドや南アフリカ、アルゼンチン、コロンビアなどの中南米諸国も相次いで実施に踏み切っています。
日本でも近々噂されている「封鎖(ロックダウン)」
さっそく意味をみてゆきましょう!
ロックダウンの意味とは?
ロックダウン (lockdown:英)
名
〔刑務所内の〕封鎖◆暴動などの後で、安全のために囚人を監房に閉じ込めること。
〔学校内の〕避難◆子どもの安全のために、帰宅させずに教室内に避難させること。引用元: 英辞郎 on the WEB より
英語のlockdown(ロックダウン)が語源の言葉で
- 〔刑務所の〕封鎖
- 〔学校内の〕避難
暴動に際し囚人の移動を制限し監房に閉じ込めること。
ex)The prison went on lockdown today.
[刑務所は本日、ロックダウン(囚人たちを監房に閉じ込める行為)に入った]
緊急時、子供の安全のために自宅に帰宅させず学校内に避難させること。
ex)The high school is under a lockdown.
[その高校は厳重封鎖の状況にあります]
などのように英文の中で使われています。
英語のlockdown(ロックダウン)の関連用語
「今いる場所にとどまり(教室内、外にいるなら急ぎ最寄りの部屋に入り)ドア・窓を閉めて施錠し、身の安全を図れ」という指示のこと。
銃を持った不審者が学校内に侵入した場合などに発令されます。
封鎖[立入禁止]地域
(銃を持った)不審者の侵入に備えて、建物内または室内にいる者がドアに鍵を掛けて身を隠し(伏せて)安全を図るための訓練のこと。
銃撃事件の多い米国では多くの学校が定期的にロックダウン・ドリルを実施しています。
日本で使われているロックダウン
現代日本社会で使われている「ロックダウン」は主に
- セキュリティを強化するためにOSやアプリケーションの機能を制限する仕組み。
- (緊急時や感染症の流行防止のための)閉鎖・封鎖
のことを意味します。
1.はIT用語で使われている「厳重な封鎖」の意味。
Lockdownを設定することで1台のパソコンを複数のユーザーが共用する場合、ユーザーごとにファイルやディレクトリへのアクセスや使用を制限することができます。
2.は緊急時に発動される「閉鎖、封鎖」を意味します。
主に欧米で使われている言葉ですが最近、ニュース等で見聞きする機会が増えてきました。
緊急時に学校や施設、地域、領空などを封鎖して人命の安全を図るものです。
ロックダウンの種類
予防ロックダウン
人命の安全確保を最優先に考え、あらゆる危険回避の手段を取り「最悪のシナリオ」や「システムの脆弱性」に対処される予防措置のこと。
2019年秋から世界的に大流行しているCOVID=19(新型コロナウイルス)に対し、各国で公共機関、施設、学校、店舗を休止・閉鎖して国民の行動を制限する発令が相次ぎました。
これは感染症対策の一環であり「特定の地域(または国全体)」における人の移動や経済活動を休止することを「lockdownロックダウン=閉鎖」と呼びます。
なおこの場合、生活に必要なライフラインや食料品を販売するスーパーマーケット、薬局などは通常営業されます。
このような治療法が確定していない感染症流行時などに「予防ロックダウン」の計画がなされていない場合は感染が急速に拡大、パンデミック(感染爆発)を引き起こし多くの人命が失われる可能性があります。
「パンデミック」「オーバーシュート」をもっと詳しく↓
【overshootオーバーシュートの意味とは?アウトブレイクやパンデミックとの違いもわかりやすく解説】
緊急ロックダウン
人命に対する差し迫った脅威または危険がある場合に実施される封鎖行為を「緊急ロックダウン」と呼びます。
例えば、外部からの侵入者に対して学校が実施する「緊急ロックダウン」は生徒・教師などの学校関係者は建物内に閉じこもり(避難)、あらゆるドアや窓を施錠して施設を「封鎖」することです。
災害や火事、爆発、爆弾や人質に関わる脅迫などあらゆる「人命への脅威」に対して発動される可能性のあるものです。
ロックダウンの使い方と使用例
例) リスクマネジメントの一環として各PCにロックダウン設定を施しています。
このロックダウンは⇒「セキュリティを強化するためにOSやアプリケーションの機能を制限する仕組み」のことです。
例) 銃を持った犯人が逃走中のため市内の学校はロックダウンされた。
この場合のロックダウンは「建物内に避難して封鎖」という意味です。
前項で解説した「緊急時に学校や施設、地域、領空などを封鎖して人命の安全を図る=緊急ロックダウン」にあたるものです。
例) 国内の感染拡大を防ぐために1ヶ月のロックダウンに入った。
この場合のロックダウンは「(ある特定のエリアにおける)封鎖」という意味です。
こちらも前の項で解説した感染症予防などの一環で「特定の地域(または国全体)における人の移動や経済活動を休止すること=予防ロックダウン」のことです。
近年のロックダウン(封鎖)の事例
事件直後から米国内の民間領空が3日間の間封鎖されました。
レバノン系若者と白人若者との間で勃発した暴動に対し、ニューサウスウェールズ州政府より権限を与えられた地元警察はサザランド・シャイアなどを封鎖しました。
ボストン市内全域が封鎖され、テロリストの探索が行われました]。
ベルギーでロックダウンが2日間続けられました
白人至上主義者によるモスク襲撃事件の後約6時間にわたって市内の全学校がロックダウンされました。
中国、韓国、イタリア、フランス、EU、マレーシア、アメリカ合衆国、ニュージーランドなどでロックダウン措置が実施されています。
>参考引用:Wikipediaより
ロックダウンしたらどうなる?
ロックダウン(封鎖)の規制範囲は実施される国(もしくは自治体)によって異なります。
例えば、私が住むニュージーランドも2020年3月25日深夜からロックダウンに入りました。
- 不要不急の外出禁止(4週間の自宅待機)
- 学校を始め公共施設の運営休止
- エッセンシャル・ワーク以外のすべてのビジネスの休止
- 人との距離(ソーシャルディスタンス)は2mを保つ
(図書館、博物館、美術館、公園等)
(病院、警察、消防、ライフライン、薬局、スーパーマーケット等)
ロックダウン中のNZ生活事情などのレポ記事を書いてます↓
ロックダウンしている国の状況は?
最初にロックダウンされた中国・武漢ほか、ヨーロッパ各国、アメリカ、インドのロックダウン状況を調べてみました。
中国・武漢
2020/1/23 武漢市にアクセスするすべての交通網(道路、鉄道、空港)をすべて閉鎖し都市全体の完全封鎖踏み切った。
食料品などの生活必需品は購入できたが品不足が続いた。
4/8にロックダウン解除予定。
イタリア
2020/3/10 イタリア全土で不要不急の外出禁止令発布。
食料品や薬局などを除くすべての商店や施設が営業停止。
外出は基本1人で「申告書」の携帯が義務付けられ違反者には罰金がはせられる。
スペイン
2020/3/14 非常事態宣言と共にスペイン全土封鎖。告知はドローンを使って行われた。
他国と同様、食料品や薬局などを除くすべての商店や施設が営業停止。
外出に関しては厳しく戸外での運動・散歩も禁止。
当初14日間の実施予定だったが3/30に4/15まで延長されることになった。
フランス
2020/3/17 15日間のフランス全土の外出禁止・封鎖を発表。
他国と同様、食料品や薬局などを除くすべてのレストラン・カフェ等の店や施設が営業停止。
やむをえない外出には「申告書」携帯が義務付けられており、違反者には罰金。
散歩・運動は1日1回、1キロ以内、1時間以内はOK。
ドイツ
2020/3/16より隣国との国境封鎖、22日より事実上ロックダウン。
すべての学校は16日から休校。
食料品や薬局などを除く店や施設が営業停止(デリバリー・テイクアウトは営業可)
公共の場に3名以上集まってはいけない。
他人との距離は最低でも1.5m、可能なら2mあける
イギリス
2020/3/23 学校の閉鎖、最低3週間のロックダウンを発表。
食料品や薬局などを除く店や施設が営業停止。
必需品の買い物、通院、必要な通勤など以外は外出禁止。
1日1回の軽い運動、散歩はOK、違反者には罰金あり。
アメリカ
2020/3/13 連邦政府が非常事態宣言を出し、全50州のうち20州以上で不要不急の外出が原則、禁止。措置内容は各州で異なる。
ニューヨーク州21日から原則、州内の企業の全従業員を在宅勤務、自宅待機。
サンフランシスコは16日から3週間のロックダウン。
ソーシャルディスタンスは6フィート(約1.8m)を保つことを推奨
食料品や薬局などを除く店や施設が休業しているがテイクアウト、デリバリーは許可されている。
インド
2020/3/22 インド全土に外出禁止令を発布。
食料品・薬局を除くすべての店・会社が4/14までクローズ。
まとめ
ロックダウンの意味は?
- セキュリティを強化するためにOSやアプリケーションの機能を制限する仕組み
- (緊急時や感染症の流行防止のため)閉鎖・封鎖
元は暴動の際、囚人たちを監房へ閉じ込め、行動を制限するワードで使われていましたが、現在は緊急時の「封鎖」での意味で用いられることが多くなりました。
「セキュリティ強化のための設定」「封鎖・閉鎖」と覚えておきましょう。
COVOD-19の世界的流行で各国がこの「ロックダウン」に入っています。
少しでも感染拡大を緩やかにし、多くの命が救われることを切に祈ります。