プロローグ(英語表記)prologue

翻訳|prologue

精選版 日本国語大辞典 「プロローグ」の意味・読み・例文・類語

プロローグ

〘名〙 (prologue)
オペラバレエなどの独立した序の部分。多楽章楽曲の序奏の楽章。演劇では前口上序幕文学では、作品の冒頭の部分をいう。
道程(1914)〈高村光太郎〉狂者の詩「プロログ エピログ」
② 物事の始まり。

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デジタル大辞泉 「プロローグ」の意味・読み・例文・類語

プロローグ(prologue)

演劇で、前口上。序幕。⇔エピローグ
詩歌・小説・戯曲などの文学作品で、本筋の展開に先だつ前置きの部分。序章。また、物事の始まり。発端。⇔エピローグ
[類語]自序序文はしがき前書き序言緒言序章前付け前置き前文序詞小序序説序論緒論巻頭言イントロダクション

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改訂新版 世界大百科事典 「プロローグ」の意味・わかりやすい解説

プロローグ
prologue

劇の本体の前に語られる短いせりふ。前口上,序詞。古代ギリシア劇において,コロスの最初の登場に先立つ部分を指したプロロゴスprologosという言葉を語源とする。その後,劇の本体とは切り離されて,劇の内容を予告したり,劇の理解について必要な情報を観客に提供したり,劇のできばえについて弁解したり,作者の主張を代弁したりするせりふをプロローグと呼ぶようになった。イギリスではエリザベス朝以来よく用いられ,とくに王政復古期の劇では,劇の完結後に語られるエピローグと対をなして現れるのが普通であった。出演俳優が俳優自身として語る場合,登場人物として語る場合のほか,シェークスピアの《ロミオとジュリエット》のようにとくに指定されない語り手が語る場合もある。ときには複数の人物の対話からなり,それ自体一編の戯曲に近づいている。劇だけでなくオペラにおいても用いられることがあり,ほかに,長編詩などの前置きの部分,論文などの序文,音楽における序奏的性格の冒頭楽章や楽曲冒頭部についても,プロローグという言葉は用いられる。
序詞
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロローグ」の意味・わかりやすい解説

プロローグ
ぷろろーぐ
prologue

「序詞」「序幕」「前口上」などと訳される。劇の開幕に先だって口上役が登場して、当時の政治や社会への批評を絡ませたりしながら劇の大筋を説明する場合と、短い一場面を設けて、これから始まる劇の内容を暗示する場合の二つの形がある。紀元前4世紀のエウリピデスに始まるとされるが、一般化するのはルネサンス期で、エリザベス朝時代はコーラスの名でよばれた。とくに王政復古期から18世紀にかけてヨーロッパ各国の演劇で盛んに用いられた。また、オペラ、バレエ、音楽の独立した序の部分や、詩、小説の冒頭部分をもさし、物事の始まりや発端を示す一般用語としても使用される。エピローグの対(つい)の用語。

[高師昭南]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プロローグ」の意味・わかりやすい解説

プロローグ
prologue

劇の開始に先立ち,作品の内容や作者の意図などについて行う解説,口上,序詞。ギリシア劇のプロロゴスから発生し,中世演劇,ルネサンス演劇にも受継がれ,エピローグとともに王政復古期演劇で全盛期を迎えた。俳優が登場人物として,あるいは作者の代弁者として観客に語りかけるもので,機知と批判に富んだ D.ガリックのプロローグが有名。

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百科事典マイペディア 「プロローグ」の意味・わかりやすい解説

プロローグ

序詞,前口上。演劇では劇の初めに述べられる短いせりふや,前提条件を示す場面,序幕。論文などの序文,音楽の序奏的部分にも用いられる。→エピローグ序詞

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世界大百科事典(旧版)内のプロローグの言及

【知識表現】より

…しかし,一般的な論理表現に対しては効率のよいものがない。扱う論理式の範囲をホーンHorn節に限り効率的な処理系を実現したのが,第5世代計算機で注目されたプロローグProlog言語である。人工知能エキスパートシステム【寺野 隆雄】。…

※「プロローグ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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